読書感想ブログその10
今回の本はコレ。
学びを結果に変える
アウトプット大全
自分が個人(読書感想)ブログを立ち上げようとしたのも学びを着実にアウトプットしていきたいと思ったからです。
でもなかなかアウトプットするのって難しいですよね。
本を読んだり、勉強会に参加したりしたら、もうそこで学んだ気になってしまうのが普通だと思います。
でも著者の樺沢さんはそれでは意味がない、と断言しています。
樺沢さんは学んだ(インプットした)ことを具体化(アウトプット)してはじめて学びになる、と話しています。
本書は様々なアウトプット(話す、書く、行動する等)の方法をわかりやすく説明してくれているので、すぐに実践することができます。
私自身が行なっているこのアウトプット(読書感想ブログ)が誰かのインプットとなり、そしてアウトプットにつながればとても嬉しいなと感じます。
●はじめに
あなたが成長するためのカギは?
「自分の意見をうまく伝えたい」
「良いアイデアが思い浮かぶようになりたい」「仕事や勉強の成果をもっと出したい」
インプットとアウトプットの黄金比率は
「3対7」
仕事や学業によるストレスや人間関係の悩みから解放されてほしい。
過剰なストレスや悩みは激減する。
読み始めたときはなぜアウトプットがストレスや人間関係の悩みから解放されるのかわかりませんでした。
ですが本書にあるアウトプットの内容を自分なりに実践していったことでその意味が少しわかってきたように思います。
それはインプットとアウトプットのサイクルを回していくことでたくさんの学びや自己成長、新しい発見を得ることができるからです。
たしかにこれ以上の楽しさはないなと感じますし、こんな毎日を送ることができれば仕事や人間関係などのストレスは激減するだろうなと思います。
私も一つでも多くアウトプットする機会をつくり、楽しい人生の実現を目指していきたいと思います。
●チャプター1 アウトプットの基本法則
・アウトプットの基本法則1
2週間に3回使った情報は長期記憶される
・アウトプットの基本法則3
インプットとアウトプットの黄金比は3対7
●チャプター2 科学に裏付けられた伝わる話し方
・ほめる
相手が調子に乗らない効果的な「褒め方」
具体的に褒める。強化したい「具体的な行動」をできるだけ細かく褒める
本書では例として部下が1億円の契約を取ってきた場合の上司の褒め方を書いています。
「1億円の契約をとってきてすごいな!」
→結果を褒めているだけなのであまり良くない
「1億円の契約を取れたのはクライエントさんの希望に叶うように、あきらめずに企画書を出し直したから。その粘り強さはすごいな!」
→強化したい「具体的な行動」をできるだけ細かく褒めている
●チャプター3 能力を最大限に引き出す書き方
・書き込む
びっしり書き込まれた本は学びの軌跡
1冊の本から3つの気づきを得る
・ノートをとる 思考の軌跡は1冊のノートに全て残す
レジメにメモしない
気づきを3つ書く
To Doを3つ書く
・メールを送る 朝一のメールチェック&返信は5分以内
始業直後にメールしない
著者は1冊の本から「3つの気づき」が得られればそれは大切な「宝物」を獲得したのと同じと言っています。
また読書する際、ただ読む(インプットする)だけじゃなく、感じたことを本に書き込んだり、マーカーでラインを引いたり(アウトプット)していき、本を汚すことを推奨しています。
これをすることで私の場合、読書感想ブログを書く際にとても思い出しやすくなりました。
あぁ、この内容を読んだときにこんな思いをしたなぁとか、
ここで自分はこんなことを思いついたなぁとか、
そのときの感情もセットで思い出すことができるのでとてもオススメの方法だと思います。
●チャプター4 圧倒的に結果を出す人の行動力
・完成させる
「30点の完成品」を時間をかけて磨き上げる
・始める
5分だけ頑張って「やる気スイッチ」オン。時間はたったの5分
・時間管理する 一日15分の「すきま時間」を活用
制限時間を決めて取り組む
一日15分1アウトプット
アウトプットしないインプットは意味がない
自分的にはこの章に書かれてある内容が一番実践しやすく効果も出やすかったように感じます。
『30点の完成品』という発想はこのブログ作成作業においてとても重要でした。
文章を書く、ということに慣れていない自分はいきなり100点満点を目指そうとしていつも挫折してしまっていました。
まずは30点でいい、という発想をもつことでいちいち悩むことなく、スピード感を持って取り組むことができています。
そしてそのスピード感を継続するために次の『5分だけ頑張る』と『1日15分のアウトプット』がサポートしてくれます。
この5分、15分という絶妙な時間がアウトプットのハードルをグッと下げてくれるような気がしています。
私はまだ毎日アウトプット、とまではいきませんがこのポイントを知ったことでアウトプットするのがとても楽しくなってきました。
私でもできるようになったので、是非皆さんも試してみてもらいたいなと思います。
以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
読書感想ブログその9
今回の本はコレ
残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
●はじめに
なぜ自己啓発がこれほど僕たちを引きつけ、結局は裏切るのか。
僕たちはどうしていつも不幸なのか。
そして、世界はなぜこれほどまでに残酷なのか。
能力は開発できない。
やってもできないから。
「私」は変えられないから
伽藍を捨ててバザールに向かえ
恐竜の尻尾の中に頭を探せ
※伽藍:
昔ながらの村社会。閉鎖的空間。失敗からの再挑戦も難しい。
※バザール:
解放された世界。流動的に人が入れ替わる。新旧入り乱れ序列もない。
なんだか冒頭からマイナス発言連発な気がしますね。
でもこれ、まんざら全てをマイナスに捉えているわけではないんです。
本書のタイトルにもあるように、人がなかなか幸せになれないこの残酷な世界のなかでもたったひとつだけ生き延びられる方法があるよ、
というむしろポジティブな本であると感じています。
そのためには逃れることのできない現実をまず受け止めていく必要があるので、一つずつ紹介していきたいと思います。
●序章 「やってもできない」人のための成功哲学
・子供の成長に子育ては関係ない
子供の成長に親は必要ないのかもしれない。
子供の性格の半分は遺伝によって、残りの半分は家庭とは無関係な子供同士の社会的な関係によって作られる。
遺伝学や心理学の「発見」をまとめると・・・
①知能の大半は遺伝であり、努力しても大して変わらない。
②性格の半分は環境の影響を受けるが、親の子育てとは無関係で、一旦身に付いた性格は変わらない。
コレを決して「子育てをしなくていい」という結論として捉えるのではなく、
適度な距離感と責任感で子どもと向き合っていく方が双方にとって幸福なんじゃないか、
というふうに解釈してみました。
・「やってもできない」成功哲学
もしも僕たちの人生が「やればできる」と言う仮説に拠っているのならば、この仮説が否定されれば人生そのものが台無しになってしまう。
それよりも「やってもできない」と言う事実を認め、その上でどのように生きていくのかの「成功哲学」を作っていくべき。
どんなことも「やればできる」で押し通せるほど世の中甘くないですよね。
私は著者(橘さん)のいう「やってもできない」成功哲学を持つことができたらどんなに幸せだろうか、と感じました。
●第1章 能力は向上するか?
1、「やってもできない」には理由がある
子供たちは、みんな良いところを持っている。だったらそれを、ちゃんと評価してやればいい。
アメリカの認知心理学者はこれを「多重知能(MI)の理論」と呼んだ。
・ダメでも生きていける比較優位の理論
Aさんは法律家としても、タイピストとしても、Bさんを絶対的に上回る。
これを「絶対優位」という。
法律家としての2人の能力を比較すると、AさんはBさんより100倍有能だ。
一方タイピストとしては、AさんはBさんより2倍速く打てるに過ぎない。
このときAさんにとって、法律の仕事は「比較優位」、タイピストの仕事は「比較劣位」にある。
この場合、Aさんは比較劣位にあるタイピストをBさんに任せ、比較優位にある法律の仕事に集中することでずっと大きな利益を手にすることができる。
Bさんは、法律の知識でもタイピングの腕でもAさんに劣っているけれど、タイピングにおいては比較優位にある。
このようにしてBさんは、たとえすべての面でAさんに劣っていても、タイピングの仕事で世間並みに暮らしていける。
法律に関してはAさんの1%の事しかできないけど、タイピングなら50%もできるからだ。
自由な労働市場では能力競争で一番にならなくても比較優位を生かすことでみんなが仕事を得ることができる。
2、能力主義は道徳的に正しい
・1億4000万円の人的資本
人の働く価値は「学歴」「資格」「経験(職歴)」の3つで評価できる
なぜそうなるのか。
学歴も資格も職歴も「差別」として否定してしまったら、一体何を基準に人を評価していいのかわからなくなってしまう。
・差別を擁護する良心的な人たち
能力主義は差別のない平等な社会を築くための基本インフラ。
能力は努力によって無限に成長する。
能力が人種や差別のような先天的なもの(本人の努力によって変更不可能なもの)ならば、能力で人を評価することも差別になってしまう。
3、「好きを仕事に」という残酷な世界
・現代社会の最強の神話
グローバルな能力主義の社会では、労働者は「能力」によってクリエイティブクラスとマックジョブ(マニュアル化された仕事)にニ極化する。
自己啓発の唱導者たちは、能力が努力によって開発できるとして、効果の判然としない様々な教育プログラムを提供するようになった。
だが現実には、どれほど「教育」してもほとんどの人は落ちこぼれてしまう。
僕たちを支配する自己実現の神は、能力主義に適応できない迷える子羊たちに、より強力な神話を与える。
好きなことを仕事にすれば成功できる
向いている事は好きなこと
好きなことの「専門家」になればいい
能力は向上するか、という問いに対する結論は「無限に成長する」でした。
ただしその能力は「自分が好きなこと」「向いていること」であることが必須条件になりそうです。
それ以外のことはすべて「やってもできない」という結果になる可能性が高いですね。
●第4章 幸福になれるのか?
1、君がなぜ不幸かは進化心理学が教えてくれる
・僕たちが不幸な理由
僕たちは幸福になるために生きているけれど、幸福になるようにデザインされているわけではない
これは前に紹介した図書、『幸福の資本論』の冒頭にも書かれてあった一文ですね。
詳細は前ブログに譲ります。
↓
https://muronoazono.hatenablog.com/entry/2021/04/29/004009
●終章 恐竜の尻尾の中に頭を探せ
インターネット時代のニッチ市場に巨大な変化が起きている。それがロングテール。
音楽配信サービスではごく少数のヒット曲に人気の大半が集中。
この部分をショートヘッドという。
有象無象のロングテールの作品はこの世に存在しないのと同じ。
インターネット、(レコード)は在庫をほぼ無料で保管できるようになった。
在庫や販売の流通コストがゼロになれば、商品を売れ筋に絞り込むのではなく、テールを伸ばせるだけ伸ばして収益を最大化させる。
・雪の結晶
全体と部分が自己相似になっているこうした図形をフラクタルと言う。
無限のロングテールを持つ市場では、いずれは誰もがショートヘッドになる。
大事なのはマイケルジャクソンのような時代のアイコンを目指すことではなく、自分の好きなジャンルでショートヘッドになること。
・君にふさわしい場所
あらゆる市場にニッチがあり、かっこいいとか好きとかの感覚を君と共有する人たちが集まっている。
彼らに引き寄せられると同時に、引き寄せる魅力を持っているから、それを上手にビジネス化することで「好きを仕事に」できる。
有名大学でMBAを取得した優秀な人たちが最新のマーケティング理論をひっさげて企業に挑戦するがほとんど失敗する。
それは儲かることをやろうとして好きなことをしないからだ。
「好き」を仕事にすれば、そこは必ずマーケットがあるのだから空振りは無い。
ほとんどの人は社会的な意味での「成功」を得られないだろうけど、少なくとも塁に出てチャレンジし続けることができる。
伽藍を捨ててバザールへと向かえば、そこにはきっと君にふさわしい日があるに違いない
私が本書を読んだ上でもっもと大切な部分は終章に書かれてある内容ではないかと感じました。
伽藍という閉鎖的空間にいつまでも居るのではなく、バザールという解放された世界へ向かうことが、
この残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法を見つけることができる。
すなわち自分にとって努力しなくてもいいこと→『好きなこと』『向いていること』に出会えることができる。
というのが本書のもっとも伝えたい内容なのかなと感じました。
以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
読書感想ブログその8
今回の本はこれ。
プレイングマネジャー
「残業ゼロ」の仕事術
●はじめに
本書のもっとも伝えたいこと、それは
「属人化させない仕事の仕方」の徹底
「働き方改革の本質は生産性の向上」である。
そして現場メンバーの自発性を引き出すこと。
そのためにはプレイングマネジャーは「頑張らない」ことが大切である。
余計な「責任感」や「プライド」を肩から下ろし気持ちを楽にする。
そして素直にメンバーに助けを求め、メンバーを信じて仕事を任せることがプレイングマネジャーに求められるスキルである。
・「結果の質」より「関係の質」が大切
「結果の質」の改善から着手×
「関係の質」から着手するのが重要◎
→つまり対話。
関係の質→思考の質→行動の質→結果の質
といったグッドサイクルをまわすことを意識する
●第1章 「8割マネジメント」の働き方
lesson1 プレイングマネージャーの本職はマネジメント
プレイングマネジャーは
「マネジャーの仕事」8割:「プレイヤーの仕事」2割を意識する
・「頑張るマネージャー」がチームの士気を下げる
多くのマネージャーが「プレイヤーとしての仕事」に比重を置いてチームに足りない戦力を自ら補おう、という選択肢を思い浮かぶ
↓
なぜか、それは
「プレイヤーとしての仕事」の方が結果を出しやすいし、やる気も湧くから
lesson3 「15分単位」で時間感覚を磨く
「働き方」を記録するシンプルなルール
①時間は15分単位で考える
②業務とそれにかける時間(時間見積もり)をセットで考える
③残業を見込まず就業時間内で終わるようにスケジュールする
④各業務の優先順位を明確にする
lesson4 「働き方」を分析するシンプルな方法
・問題がありそうな「タスク」に注目
具体的には「すきま時間」の活用方法を極めること
「すきま時間」に難易度の高い仕事に少し手をつけておくのが正解
lesson5 「仕事を増やす」ために「仕事を減らす」
「仕事の無駄取り」に走ると「生産性」が悪化する?
持っている資源(ヒト、モノ、カネ、時間)を出来る限り「マネジャーとしての仕事」に投入する
↓
重要な仕事を「増やす」ために重要ではない仕事を「減らす」
●第2章「関係の質」が全て
lesson7 マネージャーが「一番大切」にすべきこと
Googleが発見した「生産性の高いチーム」の共通点とは?
仲が良くプライベートでも交流のあるグループ群と仕事上での最低限の関わりしかないグループ群とで生産性に違いがでるのかを検証。
正反対の特性を持つチームでもほとんど生産性に違いがない
生産性の高いチームに共通するパターンを見いだす事はできなかった
・「心理的安全性」が鍵を握る
「良いチーム」に共通している特徴とは
「チームメンバーが大体同じだけの発言量である」
「チームメンバーが人の気持ちへの感受性が高い」
「心理的安全性」が共有されたチームの生産性が高い
であるがこれは決して「仲が良い」と言うことではないというのが重要。
・プレイングマネージャーの落とし穴
「プレイヤーとしての仕事」に力を入れ出すとさらに状況は悪化
↓
「なぜ、自分がこんなに頑張らないといけないんだ…?」
↓
メンバーに対して「攻める」ような言葉が出てしまう
チームのために、といった自己犠牲は結果的に自分を苦しめる行為となるし、メンバーにも良い結果をもたらさない。
だからプレイングマネジャーはマネジャーとしての仕事を重視し、弱みをさらけ出して素直にメンバーを頼ることが必要。
目先の「目標達成」を多少犠牲にしてでも「心理的安全性」を優先すべき
lesson8 「メンバーより優秀」でなくていい
マネージャーの「思い込み」が災いを生む
会社はメンバーよりも優秀だから「高い給料」を払っているわけではない
あなたがチームの生産性を高めてくれることを期待して「高い給料」を払っている
↓
「自分の優秀さを証明する」ことよりも「心理的安全性を重視する」ことこそが求められている
・「弱み」こそがマネージャーの武器である
「仕事用の仮面」を被るのはやめたほうがいい
素直に自分の弱さを認め、できない部分は思いっきりメンバーを頼りきること。
lesson9 マネージャーに「答え」はわからない
なぜマネージャーは話しすぎるのか?
自分をコントロールする意識を持つ
→自分の考えと違っていてもメンバーの発言を尊重する
→自分の考えを伝えることに注視しない
マネージャーが相談された場合
↓
メンバーよりも先に「答え」が分かってしまう(経験豊富なため)
↓
結果ついつい答えを教えてしまう
↓
マネージャーの発言量が多くなってしまう
生産性の低いチームの会議の多くはマネージャーの独演会のようになっている
メンバーが自分で「答え」を見つけるのを待つことがマネージャーの鉄則
・「答え」を教えるのではなく「答え」を引き出す
まず黙って聞く
↓
答え(解決策)がわかってもすぐ口にせずグッとこらえる
※ティーチング→答えを「教える」
※コーチング→答えを「引き出す」
"手っ取り早い"のが効率的とは限らない
「無言の時間=無駄な時間」と判断する×
沈黙を埋めるような発言(ティーチング) ×
相手は頭の中で思考を巡らせているのでここでは「待つ」が正解
メンバーはマネージャーの5〜6分遅れで想像しているレベルのものを出してくる
この「5〜6分」を待てるかどうかがポイント
lesson10 「アドバイス」ではなく「フィードバック」に徹する
部下の問題行動には「フィードバック」で対応する
「放置すること」×
「客観的事実をフィードバックする」◎
「厳しく指導する」×
フィードバックとは・・・
もともと軍事用語。砲弾が目標地点からどれぐらいずれていたかを射手に伝えること
客観的な事実を伝えるだけでそこに主観的な判断が入っていないことが重要。
フィードバックには本人が自発的に行動を修正するのを促す力がある
・「直後に、フラットに」伝える
例:メンバーがタメ口で顧客と電話していた場合
→「もっと丁寧に電話したほうがいいよ」×(これはアドバイス)
→「友達と話してたの?」と尋ねるだけでオッケー(感じたことをそのまま伝える)
フィードバックするときは「直後に、軽く、フラットに」
・「待つ」のがマネージャーの仕事
客観的事実をフィードバックし、後は本人が自発的に問題に気づき、行動を修正するのをただ待つ。それがマネージャーの仕事。
・「褒める」よりも「事実」を伝える
ポジティブフィードバックは「褒める」ではない
※褒める→上から目線になりがち
「さっきのプレゼン、クライエントが身を乗り出して聞いていたね」
「さっきの一言、〇〇さんがメモしてくれていたね」
●第3章「働き方改革」のキックオフ
lesson13 「働き方改革」のエンジンを作る
・最初にグランドルールを決める
メンバーが楽しめなければ長続きしない
→景色の良い社会のミーティングスペース
→ BGMをかける
→アロマを用意してリラックス
→コーヒーやお菓子を用意してなど…
※何でもいいのでとにかく真面目になりすぎないように
lesson14 「付箋ワーク」で誰もが発言しやすい場を作る
「付箋ワーク」で全員が発言できる
「メンバーの発言量」を均等にするために最も効果的な方法
lesson15 チームの「もったいないところ」を共有する
マネージャーはディスカッションを牽引しようとするのではなく黙って観察に重点を置く
働き方改革などに積極的ではないメンバーの様子をそっと観察しておくことも大切
→メンバーが「言いたかったことを言えた時」
この瞬間を逃さないこと!
lesson16 「仕事の目的」を深掘りする
「働き方改革」の目的は「残業ゼロ」ではない
チームの生産性を上げ「ワーク」と「ライフ」を充実させることが「働き方改革」の目的であり、「残業削減」「残業ゼロ」はあくまで通過点
●第4章「働き方」を可視化する
lesson22 「スキルマップ」でチームを底上げする
「属人化」には微妙な心理が隠されている
自分の存在意義が脅かされると言う恐怖心を持っている
→「属人化」にはそんな微妙な心理が背景にある
属人化に固執しているメンバーを見つけた場合はなぜ人を頼らないのか、なぜみんなと仕事を共有しようとしないのかを探ってみることも必要。
●第5章チームの「生産性」を高める
lesson28 「整理整頓」から着手するのがベスト
「整理整頓」を日常業務にする
例:終業30分前のうち15分を「掃除タイム」残りの15分で残務処理をし定時退社
・lesson37 「ミニドミノ人事」でメンバーを育てる
「背伸び」することで人は成長する
誰かが休業したり、休暇を取るときは、実は人材育成のチャンス
・マネージャーが率先して長期休暇を取る
人を任せきることが人を育てる最善の方法→「自分が休むこと」がとても大切
lesson38 上層部を「味方」につける
過去と現在の「差」を可視化する
実際には着実に成長しているのに、ずっと同じ状況に留まっているような錯覚を覚えてしまう
過去と現在を目で見て比較できるものを用意するとメンバーは自分たちが生み出してきた変化を実感することができる
●第6章「働き方」を劇的に変える
lesson40 組織を動かして「業務負担」を軽減する
「組織力学」を使いこなす
客観的データを示すことが不可欠
自分たちが大変じゃなく他の部署も大変なんだ、と言う客観性を持つことで味方を増やす
以上です。
現在僕は役職には就いていませんが、デイサービスの管理者(運営上資格が必要なため従事することになっています)という立ち場で仕事をさせてもらっています。
いままでのようにプレイヤーとしての動きばかりを続けた結果、自分自身は疲弊し、動いてくれないメンバーを責めるような気持ちになることが度々ありました。
本書は僕がやってしまっていた失敗の数々を見事に書いています。
また著者の小室さんはマネジャーの仕事はセンスではなくスキルであると断言しています。
要するに「自分にはマネジャーの仕事は向いていない…やっぱり現場でリハビリや介護をしているほうが自分には合ってるんだ」という認識は誤解である、というふうにも解釈できます。
マネジャーの仕事は正直シンドイです(まぁ初めてやることなので当然ですが)。
ですがこの本は、マネジャーとしてのスキルは日々コツコツと意識して磨くことでいつかできるようになるんだと思わせてくれました。
僕のようなマネジャー業務初心者にはピッタリの本だと思います。
読書感想ブログその7
今回の本はコレ
作業療法の話をしよう
作業の力に気づくための歴史・理論・実践
- はじめに
作業療法は人がよりよく生きるための哲学と具体的な実験が融合する分野です。
また作業療法士(以下、OT)は作業療法の話をすることが大好きです。
しかし「作業療法はわかりにくい」「説明してもわかってもらえない」と言われてきました。
本書は前回紹介した『「作業」って何だろう』の著者であり、作業療法士である吉川ひろみ先生となっています。
吉川先生は「人は話すことによって自分の知識を確かめ、新しいことに気づく」と言われています。
僕も吉川先生にならい、作業療法のことをまだまだ知らない皆さんに少しでも伝えていく、という作業を実践していきたいと思っています。
その作業を通して自分の知識を確かめ、新しい発見に気づいていけたらと思っています。
本書は作業療法の歴史に始まり、実践、理論と幅広い視点で解説されています。
以前に作業療法の理論についてのブログを書いたので、今回は作業療法の歴史について紹介したいと思います。
読書感想ブログその4 - muronoazono’s blog
学校の授業みたいで退屈に感じてしまう方もおられるかもしれませんが、良ければご一読ください。
- 作業療法のはじまりから今日まで
1、むかし-活動を使った治療
哲学の父といわれたヒポクラテスは「病気を癒すものは自然である。つまり人間に備わっている活動するという性質が治療になる」という考えをもっていました。
また薬、食事、外科治療、温熱など現代医療につながる様々な治療法を列挙しており、そのなかに『仕事』や『散歩』があったと言われています。
ギリシャの医学者ガレノスは健康の維持に役立つ作業として舞踏、乗馬、水泳、狩猟、農作業などを挙げ、精神病にはレクリエーションと作業を処方しました。
心身機能障害があって何もできないと思われていた人が、自分にぴったりの作業に出会うことで社会で活躍することがある。
歴史のなかで世界中のあちこちでこうした事実が確認され続けてきました。
2、ルーツ-道徳療法・アーツアンドクラフツ運動・社会背景
- 道徳療法
18世紀フランスの医師フィリップ・ピネルは当時の精神科での治療法に疑問を持っていました。
患者は精神病だ、というレッテルを貼られ、閉じこめられたり、血を抜かれたりする治療が現実に起こっていたそうです。
その一方で患者に対して思いやりのある態度で接している看護師が付き添っている患者たちの状態が良くなっていることを観察していました。
そこでピネルは患者を尊厳ある存在として認め、道徳的に対応していくことで患者の状態が良くなっていくのを知りました。
道徳療法は人としての生き方を推奨され、18〜20世紀初頭にかけて日本を含む世界へと広まっていくことになります。
- アーツアンドクラフツ運動
作業療法のもう一つのルーツは19世紀のイギリスで始まったアーツアンドクラフツ運動と言われており、特に有名な人物としてウィリアム・モリスがいます。
産業革命後、人々は工場で大量生産された日用品を使って生活するようになりました。
それまでは自分の生活で使う物は自分で手作りしていました。
つまりそれは世界に一つしかない貴重品だったのです。
これに気づいた人々が手作りの良さを認め、アーツアンドクラフツ運動を起こしました。
この運動を通して人が想いを込めて作った作品を使う日常を豊かだと感じる人々が増えてきます。
道徳療法とアーツアンドクラフツ運動の精神は作業療法を誕生させましたが、順調に発展はしませんでした。
その要因に19〜20世紀初頭にかけて起こった経済不況があります。
これにより世界経済は大きく変化しました。
欧米では移民が増えたことで経済格差を生みます。
新展地不適応となった人々などで精神科病院では患者数が急増し、人もお金も不足していきました。
結果、道徳療法も実践する余裕がなくなってしまうことになります。
- 社会背景
社会福祉の基礎になったと同時に、作業療法を支えるきっかけとなった社会運動、それがセツルメント運動と精神衛生運動があります。
精神衛生運動により、予防を含めて精神病を考えるようになりました。
また貧富の格差を問題視する富裕層の人々によるセツルメント運動も広がりました。
こうした社会背景の中で、人々や社会をより良い状態にするために作業が使われるようになっていきます。
3、需要-誕生と戦争中の再建病院での活躍
1923年にアメリカ作業療法士協会が発足され、作業療法をより発展させていこうと言う動きが見られました。
精神科医のウィリアム・R・ダントンと建築家のジョージ・E・バートンが中心となり、作業療法士協会設立メンバーを考えました。
そこでソーシャルワーカー、看護師、高校教師が選ばれ、さらに建築家が加わったことで、作業療法は学際的、国際的なものになっていきました。
- 再建助手
アメリカに作業療法士協会が誕生した1ヵ月後、アメリカは第一次世界大戦に参戦しました。
アメリカの医師たちは理学療法士(以下、PT)やOTの業務を行う再建助手を戦地へ派遣しました。
戦争によって目の前で人が死ぬのを見た兵士の中にはショックによる精神症状を示すものも現れ、そのために作業療法が求められました。
戦地で手工芸を行うことで兵士たちが回復していく姿を見て作業療法の価値を認められるようになります。
アメリカ政府は負傷兵たちの生活を保障するために職業リハビリテーション法などの法律を作ります。
こうした法律はOTに活躍の機会を提供することにもなりました。
しかしOTは軍での地位は与えられず、作業療法を本当に必要な医学的治療と認める医師が増えることはありませんでした。
4、拡大-リハビリテーションとともに普及
軍の指導者たちは作業療法を「患者を元気づけるボランティアのような存在」としか見ていませんでした。
その結果、PTと同様に身体の耐久性、関節可動域や筋力、自助具について関わることがOTの業務になっていきました。
第二次世界大戦が終結した後は傷病兵のリハビリテーションが世界各国に広がっていくことになります。
- 作業療法士協会
(1)世界作業療法士協会(以下、WFOT)
1917年にアメリカ作業療法士協会(以下、AOTA)が生まれた後、世界各国に作業療法士協会が設立されていきました。
1952年には10カ国が参加して会議が開かれ、世界作業療法士連盟が設立しました。
WFOTは1959年に正式に非政府組織となり、OTになるための教育基準も定めていきました。
(2)日本作業療法士協会(以下、JAOT)
1965年にJAOTが誕生し、1972年にはWFOTに正式加盟することになります。
5、見直し-作業療法の本質
- 作業療法の定義
1960年のAOTAの定義には作業療法は「患者の主治医により処方され、作業療法士により実施される」とあります。
その3年後、スパックマンは心理社会的適応を促す「通常の活動」を使うことが作業療法の独自性だと述べ、医師の指示と言う要件を外しました。
1993年の定義では1980年に世界保健機関(以下、WHO)が発表した国際障害分類(以下、ICIDH)の用語が含まれました。
そして2000年以降の定義には「作業を使った」「作業を通して」と言う言葉が登場し、いよいよ「作業」によって作業療法を説明する時代に入ることになります。
- 作業療法の核
作業療法は誕生当初から「わかる人にはわかるが、わからない人にはわからない」性質を持っており、みんなが「これが作業療法だ」と言う説明を求め始めました。
1997年にカナダ作業療法士協会は作業が作業療法の中核であると明言し、その後世界中で「occupation=作業」と言う言葉で作業療法を説明する機運が盛り上がっていきます。
2018年JAOTも定義を改定し、作業と言う形を使うようになりました。
6、理論の出現
- 作業行動
1960年アメリカのOT、マリー・ライリーは子供の遊びや退職者の趣味までを含み作業行動として考えることを提唱しました。
作業行動は一人一人がどんな遊びを好み、何が得意で、何をして人生を送ってきたか、に焦点を当てて物事を考えることを奨励します。
作業行動を学んだOTたちは作業歴、興味チェックリスト等の評価法や人間作業モデルを考察しました。
7、基盤づくり-理論とエビデンス
- 作業療法全体を説明する理論
1980年代に入り、作業療法の原理を語り、作業療法実践を説明する理論が誕生し始めました。
1980年から2000年は作業療法の概念的ルネサンスと呼ばれており、作業療法の本質をOT自身が明らかにしようと言う努力が始まります。
作業療法は何に関わり、何を行い、どのような成果を出すかを説明する理論が生まれ、
研究により作業療法の効果を証明するエビデンスが明らかになり、
さらに理論が洗練されていく時代に入ります。
1990年代からエビデンスに基づいた医療(以下、EBM)が注目され始めた。
EBMとは実際に効果があったと臨床研究によって証明された治療法を奨励するものとされています。
作業療法の効果は作業で示すべきだという考えが生まれ、作業療法のエビデンスを示す評価法が開発されていきます。
アメリカのOTアン・フィッシャーは評価も介入も成果も作業で示すことを提案した。
作業療法では治療法は「作業」、成果は「健康」とします。
そのためには「健康」とは何を指すかが重要です。
WHOが1986年に発表したオタワ憲章では
「仕事、生活、余暇のパターンを変更することは健康に重要な衝撃を与える。
仕事や余暇は人々にとって健康の源である。
社会が仕事を組織する方法が健康な社会を創造する」
と述べています。
健康の定義→1946年に発表した(WHO)では「単に疾患がない、虚弱でないと言うことではなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態」
であるとされています。
8、これから-ビジョンと発展
WFOTは作業療法とは何かを説明する声明書を発表し、AOTAは統一用語を作ったり、枠組みを明示したりして、作業療法の社会的認知度を高めています。
- 求められる資質
世界作業療法士協会の倫理網領には作業療法の資質として以下の4点が挙げられています。
インテグリティ:一本筋が通った芯のある人格者であること
信頼性:嘘、偽り、ごまかしがないので信用できるという性質
オープンな心:偏見や思い込みに支配されず誰に対しても広い心で関わりを持つ親しみやすい態度
忠誠心:周囲の人々や社会からの正当な期待に応えようとする真面目さ
- 作業の視点
(1)作業科学
※ここは以前紹介した「作業」って何だろうの読書感想ブログを参照ください。
読書感想ブログその3 - muronoazono’s blog
(2)作業中心の実践
クライエントにとって意味のある作業を重視した作業療法作業を基盤とした実践(OBP)、作業に焦点を当てた実践(OFP)、これらを総称して作業中心の実践と呼んでいます。
OBP→クライエントが実際に作業を行う
OFP→クライアントの作業から目をそらさずに作業療法を行う
これからの作業療法は作業中心の実践の価値を世の中に示していくことが求められます。
(3)作業リテラシー
作業にまつわる現象を作業の言葉で説明する力のことを指します。
作業リテラシーを習得することで、より洗練された作業療法を行うことができるとされています。
- 将来ビジョン
作業を治療に使うと言うアイデアは古くからあり、時代の波に流されながらも、消えずに残り続けました。
作業療法は多様で柔軟に変化するため、専門職として分かりにくいと言われてきました。
しかし多様化、複雑化する現代社会において、作業と言う核を持つ作業療法は発展し続けています。
作業の効果を最大化する知識や技能を持つ作業療法士を未来は必要としています。
以上です。
なかなかのボリュームになってしまいました。。。
今回紹介させていただいた内容は本書のほんの一部です。
もし作業療法の歴史・理論・実践に興味関心のある方がおられたら是非本書を手に取っていただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
読書感想ブログその6
今回の本はコレ。
幸福の資本論
あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」
橘玲さんの本は何冊か読んでおり、
そのなかでも本書は特に好きな一冊です。
『幸福』という漠然としたものを、
人が生きる上で必要な3つの資本で解説していく、というとてもわかりやすい本になっています。
この本を読んでからは『幸福』というものをより具体的に生々しく考えられるようになりました。
さて、3つの資本と8つの人生パターンとは一体なんぞや?
少し長いですが、興味のある方は是非読んでみてください。
-
プロローグ
ひとは幸福になるために生きているけど、幸福になるようにデザインされているわけではない。
ゆたかな日本に住む若者はいまや選択肢が多すぎることに困惑している。
そもそも「幸福」とは何か?
本書では幸福の条件を「設計できるもの」と「設計できないもの(運命)」に分けています。
また本書では幸福を『家』で例えます。
住みたいと思う家は人それぞれ異なる。
どれが良い悪いではなくどれも良い家です。
しかし…どの家にも必ず共通すること
それは
良い家はしっかりとした土台の上に正しい設計で建てられている。
- 幸福の3つのインフラ
冒頭で説明した3つの資本がこれです。
①自由:金融資産
②自己実現:人的資本
③共同体=絆:社会資本
各資本の詳細はこのあと説明していきます。
どのような家を建てるか(幸福を実現するか)は人それぞれの価値観で変わってくる。
自分が建てたい(増やしたい)家(資本)を建てれば(増やせば)OK!
- 人的資本と社会資本
投資家:
自らの金融資本を金融市場に投資(リスクを取る)→富(リターン)を獲得する
※もちろん損もする
労働者:
自らの労働力(人的資本)を労働市場(会社)に投資→給与や報酬(富)を得る
社会資本:
周りの人たちとの関係性から「富」を得る
人的資本と金融資本との類似性は強いが、人的資本の活用(仕事)から得られるものすべてを富(金銭)に還元できない
なぜ…?
現代社会は仕事を通じた『自己実現』こそが幸福の条件になっているから
金融資産同様「人的資本」「社会資本」も"投資"して「富」すなわち"資産"を手に入れることが幸福になる条件
- 人生8つのパターン
本書では人生を大きく8パターンに分けて説明しています。
超充
→3つの資本全てを持っている人
リア充
旦那(パパと呼ばれるような人たち?)
金持ち
→3つの資本のうち2つを持っている人
退職者
ソロ充(独身ライフを満喫している人)
プア充(生活圏が地元の友達らとのコミュニティ)
→ 3つの資本のうち一つしか持っていない人
いま持っている資本(産)が無くなったらどうする…?
貧困
→3つ全ての資本を持っていない人
資本(産)を全く持っていない人が生きていく上でのリスクは非常に高い
- 幸福の製造装置
私たちはみな「幸福の製造装置」を持っており、そこになんらかの刺激(インプット)を入れると、あるメカニズムによって「幸福」に変換(アウトプット)されます。
本書ではそのインプットを3つの資本でまとめています。
この製造装置に何をどの割合で入れれば幸福になるのかはわかりません(ブラックボックス)。
ただしひとつだけ言えることは、
インプットするもの(資本)がなければアウトプットするもの(幸福)もない、ということです。
これを踏まえて3つの資本をどのように資産配分していくことが大切かをより深掘りしていきたいと思います。
- 誰でも億万長者になれる残酷な時代
「収入の10〜15%を貯蓄に回す倹約を続けていれば誰でも億万長者になれる」
※平均年収の倍の収入が必要だが夫婦共働きをすることで解決できる
↓
億万長者は努力でなれる…ということは貧乏は社会制度等のせいではなく"自己責任"になってしまう…
- お金が増えても幸福になれない?
ビールは1杯目が美味しい。
だけど2〜3杯目になると美味しさが下がっていく。
これを限界効用という。
日本では年収800万を超えると幸福度はほとんど上昇しなくなる。
また金融資産は1億を超えると幸福度はほとんど上昇しない。
お金は幸福度を低下させることがあるが、
お金が「ある」「ない」が問題ではなく、
『お金のことを考え過ぎること』が幸福度を低下させてしまう。
- 人的資本は「富の源泉」
金持ちになる3つの方法(これしかない)
①収入を増やす
②支出を減らす
③資産を上手に運用する
- ノーベル賞学者の人的資本理論
ひとはそれぞれ「人的資本(ヒューマンキャピタル)」を持っており、それを労働市場に投資して日々の糧となる収益(給料)を得ている
これは「労働」の意味を大きく書き換えたイノベーション。
- 20代で5500万円の人的資本
一般的なサラリーマンが生涯稼ぐことのできるお金を計算すると5500万円になる
現時点で若者がこのお金(金融資産)を持っているわけではないが一つ言えることは
『もっとも重要な「富の源泉」は人的資本』である。
- 自己実現という「聖杯」
金融取引のルール→
①利益は大きければ大きいほどいい
②同じ利益ならリスクの小さい方がいい
人的資本の投資に関するルール→
①収入は多ければ多いほどいい
②同じ収入なら安定していた方がいい
③同じ収入なら(あるいは少なくても)自己実現できる仕事がいい
人的資本には金融取引にはない特徴がある。
- かけがえのない自分になること
私たちは働くことに2つの目標を無意識的に設定している。
①人的資本からより多くの富を手に入れる
②人的資本を使って自己実現する
- オンリーワンでナンバーワンの戦略
スペシャリストになるには
→好きなことに人的資本の全てを投入する
好きなことが「得意なこと」になり、それ以外のことは「やってもできない」
- 弱者の3つの戦略
①小さな土俵で勝負する:
強者が侵入できない「小ささ」を利用し、大企業にはアクセスできないニッチを見つける
②複雑さを味方につける:
ルールがシンプルなゲームは強者に有利になる
③変化を好む:
変化の激しい環境ほど弱者にはチャンスがある
- 「老後問題」とは老後が長すぎること
老後
→人的資本をすべて失った状態
老後の経済的不安を解消する方法
→老後を短くする(働き続ける)こと
生涯現役でいるためには嫌いな仕事、不得意な仕事なんか絶対続けられない
つまり、
「好きを仕事にする」以外に生き延びることができない!
- 友だちとはなんだろう?
「幸福」は社会資本からしか生まれない
巨万の富を得てもそれを誰も知らなければ紙幣はただの紙切れ
- 3つの世界
①「愛情空間」
②「友情空間」
③「貨幣空間」
①(家族、恋人)+②(友だち)=④「政治空間」(会社の先輩、同僚、SNS上のつながり)
③(他人によって構成され貨幣でつながっている空間)
④(イジメ、パワハラ、過労自殺など敵味方が入り乱れている空間)
- 煩悩から自由になった「ソロ充」
人生の問題のほとんどは近しい人とのこじれた関係から生じる
対処法
1、ベタな仲間や家族、親族の共同体のなかで生きる
2、一切の人間関係を断ち切る(ソロ充)→すべての社会資本を政治空間から貨幣空間に置き換える
- 「幸福な人生」の最適ポートフォリオ
・弱いつながりで得られるもの
1、社会資本を分散投資するので、リスクに対する耐性が強くなる
2、お互いの価値観が似ているという「認知的共感」によって境界の曖昧な集団を構成するため、異質な存在に対しても寛容でいられる
→信用を「貨幣」に置き換えて「知り合いの輪」を広げていくことができる
・強いつながりで留意すべき問題
1、地元や会社に社会資本を一極集中している
2、メンバーの情緒的共感が幸福感を生む一方で、その一体感が外集団の排除や差別をもたらす可能性があること
・組織(強いつながり)を捨てることの
デメリット→生活が不安定になる
メリット→人間関係が選択できる
「強いつながり」を恋人や家族に最小(ミニマル)化して、友情を含めそれ以外の関係はすべて貨幣空間に置き換える
以上です。
前半にでてきた8つの人生パターンで解説していたように、
3つの資本のうち1つしか持っていない(その1つが無くなったら…)、3つ全て持っていない
といった生き方はとても大変になることが想像されます。
かといって3つ全て手に入れることはほぼ無理ゲーです。
と、なると僕のような凡人でも健やかに生きるには3つの資本のバランスを常に保ち、
どれかが欠けても他の2つで補えるようなリスク管理をしていくことが幸福になる道なのかな、と感じました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
読書感想ブログその5
今回の本はコレ
「魔の2才児」と楽しくバトル!
新編 2才児イヤイヤ期の育て方
ん?
介護やリハビリと2才児のイヤイヤ期がどう関係するんだ?
と思った方もおられると思います。
まぁ半分は自分事で半分は人材教育に通ずるものがあるなぁと勝手に感じたので読書感想ブログで挙げようと思いました。
いま現在イヤイヤ期のお子さんを育てておられる方は自分のお子さんを。
新人教育や育成を担当されておられる方はその部下を。
それぞれイメージしてもらえると嬉しいなと思います。
※くれぐれも部下を子ども扱いする、という意味ではないのでご注意を!
- はじめに
赤ちゃん時代を抜けて自我が芽生え始めた2才児はとても手強い存在。
その成長をしっかり見守り愛情深く受け止めるための知恵が詰まった本である、
と著者は冒頭で述べています。
心があまりにも急激な発達をしているために、
自分でもどうしたらいいかわからなくなって
混乱したり、もがいたりしている
そんな時期を「魔の2歳児」や「イヤイヤ期」と呼んだりしています。
「あの頃はあんなにかわいかったのに…」と
親まで「子育てイヤイヤ期」になっているのではないでしょうか?
これから自立しようとする子どもの内面を理解し、子どもを忍耐強く見守れるよう親も、子どもとともに育っていきましょう、
という言葉は子育てに限らず人材育成にもぴったりと当てはまる気がします。
そうなんです。
親(指導者)が子(部下)に対してすべきことは『忍耐強く見守る』
ということをこの本で再確認しました。
- 2才児の心の発達
・「イヤ」「自分で!」は自我の芽生え
何でもかんでも「イヤ」と言うわけでなく、
「はい」と言って素直に頼んだことをしてくれることもある。
自分自身の要求が制限されたり、禁止されたりするとき、
子どもは「はい」と「いいえ」のラインを見極めるそうです。
- 2才児の感情表現
・喜怒哀楽の表現がとても豊かになる
2才児の色々な「問題」とされる行動はみな、
情緒の分化が進んだことのあらわれ。
感情が豊かに表現できればできるほど、
2才児としての発達が順調であると考えられます。
- 気になる2才児魔の行動
なんでも「イヤ!」
・反抗は成長のあかし
「いや!」と言えるようになることは、
自分の考えを主張できてきた証拠。
それが大人には反抗に見えてしまう、と著者は話しています。
- 家族のつながり
嬉しいことも悲しいことも何もかも一緒になって共感してくれるのが家族。
自分の存在をしっかり受け止めてくれる家族の一人一人に、子どもは安らかな心を寄せます。
お母さんの役割
・母性愛神話にとらわれないこと
「自分を犠牲にして子に尽くす、すばらしい母」
になろうとしても、子どもにはありがた迷惑であるということになりかねない。
互いに影響を与えたり、与えられたりしながら、心を通い合わせていくことに重きをおくほうが、
母親の役割としてはずっと大切なことのように思われる。
- 子どもとの暮らしを楽しみましょう
・親と子の個性がぶつかることもある
子どもに「当たり(聞き分けの良い子)、はずれ(親の言うことを全く聞かない子)」があるように、
子どもにとっても親の「当たり(自分の言動を全て受け入れてくれる親)、はずれ(あれしろこれしろ、と文句ばかり言う親)」があるかもしれません。
・息抜きして心に余裕をもつ
子どもの個性は認められなければいけないですが、
それと同時に親もすこやかに生活する権利がある。
心に余裕がなくなってしまうと、
「私がこんなに一生懸命頑張っているのに…」と
子どもや家族に当たり散らす、という最悪のパターンに陥ってしまう。
育児は勉強と違い、まじめに頑張り抜けば必ず成果が現れる、
というものではないかもしれません。
・「いま」をしっかりと楽しく
「過去」に目がいく親は、問題行動が生じると、
必ず子どもが小さかったときの育児のやり方にその原因を探ろうとする傾向にあると言います。
しかし冷静に考えれば過去に生じたことならどんなことでも「原因」にすることができます。
「添い寝をしなかった」ことも「添い寝ばかりしていた」ことも、どちらも「いま」の睡眠の問題と関係づけることは可能です。
子ども自身は「いま」を生きています。
だから親もしっかりと子どもの「いま」を見つめ、
「いま」が豊かになるよう援助することが大切だと著者は述べています。
以上です。
冒頭でも触れましたが今回2才児の成長について考えることで、
新人教育や人材育成と共通する事柄がとても多いように感じました。
育児にしろ、人材教育にしろ、
大人は色々なことに手を出したくなることが多いです。
それは「もっと成長してほしい」「色んな経験をしてほしい」など、
相手のことを思っての行動であることが大半だと思います。
しかし、その大人の言動が結果的に子どもの成長や自尊心を止めるキッカケになる可能性も大いに秘めていることを大人である自分は自覚しておかないといけないと感じました。
あまりにも口出しされると子どもは指示がないと動かない(自発的に行動することを注意され続けた結果)ようになります。
怒られることが多いと子どもは怒られないような行動をとるようになります。
子どもの頃に親に認められない経験が続くと、大人になってから他者から認められたい行動(SNSで他者から評価されたがる等)をとるようになります。
必ずしも上記のような関連性がある訳ではありませんが、少なくともこれらの行動をとる可能性を高める、という認識でいていただけるとありがたいです。
わが子、わが後輩を師と仰ぎ、
彼ら、彼女らから多くのことを学ばせてもらう、
という姿勢でこれからも関わっていきたいと思いました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
読書感想ブログその4
作業療法理論について学ぶ
今回読んでみた本はこれ。
この本は信念対立解明アプローチ、OBP2.0理論など様々な理論研究をされており、近年ではユーチューバーとしても活躍されている京極真先生も自身の動画で紹介しています。
↓
新刊紹介動画
【新刊紹介】作業療法理論の教科書を発売します! - YouTube
増刷決定の動画
増刷決定!作業療法理論の教科書 - YouTube
ぼくのブログを読むのが手間な方は是非こちらの動画を参考にしてみてください。
- この本の特徴
これは作業療法理論を現場で活用するための入り口となるもので、とてもわかりやすく説明してくれています。
※ぼくのような、理論から逃げ回っていた人間からするととてもありがたい本です。
- なぜ理論が必要か
この本で理論は作業療法の実践における特定の問題を過去の情報に照らし合わせて理解し、
言語化し、介入方法の検討を手助けするもの、
とあります。
また、過去に観察され、蓄積された情報が凝縮化されたマニュアルのようなものとあり、
実践を分析し、過去の知見を参照することによって、良い実践へと導くために必要と述べています。
- 理論の意義
理論の意義について本書では3つの視点で述べています。
・理論を使用する一般的な意義
1、結果を予測することができる
2、ある「事実」を説明・解釈する手がかりを得ることができる
3、ある現象を「整理」することができる
4、仮説を生み出す「母体」になることができる
・作業療法の独自理論を確立することによる専門職にとっての意義
1、作業療法独自の知識体系を確立し、作業療法のアプローチの独自性を示す
2、作業療法の守備範囲を明確にする
3、実践に妥当性を与え、その手引きとなる
4、診療報酬を正当化する
・作業療法における理論の意義
1、作業療法を臨床で思考するために重要で臨床実践を明確化できる
2、人の生活や作業を評価・介入する専門職にとって有用である
3、作業療法の臨床実践の根拠であり説明のツールである
4、作業療法の学問的知識であり、作業療法の科学、哲学である
このまとめからも理論は学問と臨床実践を結ぶ重要なツールであるといえますね。
- 理論を用いる際の注意点
理論を学ぶこと、理解すること、実践に活かすことは非常に重要ですが、理論を用いる際に注意しておかなければいけないこととして、以下の3点が挙げられています。
・理論は時代背景や科学や医療の発展とともに変遷する
・理論は研究により効果が認められるようなエビデンスをもつものもあるが、その範囲が限られていたり、不十分な理論もある
・理論がすべて正しいとは限らない
これらの点を念頭においた上で理論をうまく実践に活かしていくことが大切になっていきます。
- 理論の分類
理論には目的、扱う対象や範囲、実践との関係により分類することができます。
分類方法を知ることで理論を整理し、正しく用いることが可能になります。
理論を扱う概念の範囲によって
・超メタ理論
・メタ理論
・大範囲理論
・中範囲理論
・小範囲理論
と、大きく5つに分けられることができ、理論を分類して理解することは理論を実践で活用する際の知識の整理のために有用になります。
- 作業療法理論と臨床実践
理論書を学ぶことを決意したとき、最後に問題と超えるべき課題が立ち現れます。
その問題となるのが
『理論書の難解さ』『理論を臨床現場で活かす読み解きの難しさ』であり、
超えるべき課題が
①一人で抱え、一人で解決しようとする心理的エラー
②多くの情報処理
③難解な理論書の理解と読み解き
になります。
理論を学ぶのはやっぱり難しい…。
自分には無理だ…。
そう感じてしまう人は少なくないと思います。
まさに自分がそうでした。
でもこの本は理論を学んだ上で実践するのと、そうでないのとでは臨床過程や結果が大きく変わってくる、ことを解説してくれています。
- 臨床での理論使用の効果
以下に挙げる理論使用の有効性を検討した上で、わたしたち専門職は理論を使用するべきかどうか判断します。
・失敗回避:過去の過ちを繰り返さない最良の手立て
・専門性の確立:現象を言語化する力を養い、議論の進行をスムースにする
・方向づけ:自分に足りない視点や行動を提示し、OTの視点で介入ポイントを示す
・持続的効果:理論の力で多面的に見る視点+包括的に人を捉える=持続的効果(即時効果に留まらない)
理論が素晴らしいことはわかるけど、やっぱり自分なりに学んで考えたことを実践してみたい!
そう思う気持ちはとても大切ですし、わかります。
ただ、私たちの仕事の大半は診療報酬の上で成り立っています。
言い換えれば対象者さん以外にも皆さんからの税金によってお金を頂いています。
そして何より私たちの関わりは、
病気に罹り、障害を持たれた対象者さんの人生を大袈裟ではなく良くも悪くも変えてしまいます。
そう考えると、ただただ自分のやりたいことをやりたい、という考えに少しブレーキをかけないといけないのではないか…
ぼくは理論の重要性を考えるようになってからこんな考え方に変わっていきました。
- 理論に関するQ&A
最後に本書では理論に関する素朴な質疑応答のページがあります。
強く共感した内容を2点紹介したいと思います。
Q1、信じる理論の違いによって、なぜ対立は生まれるのか?
A1、理論を信じるからこそ対立は生まれる。
理論を「共通目標を達成するために使うツールであり、複数の理論を補完し合いながら活用していけばいい」と気づくこと。
理論は信じるものではなく、目標を達成するために使うもの
Q2、理論はどこまで学習すればいいのか?
A2、まずは広く浅く学習することが重要。
実践で適応しながら学習を深める(強化)。
最終的に広く深く学ぶことがベスト。
実践で使えそうならまず使う!
理論は実践で使わないと身につかない
以上です。
上記内容以外にも本書では21の理論を、
なぜ?何で?誰が?どこで?いつ?どのように?用いるのかを解説してくれています。
各理論の感想まで書くと、ますます乱文に拍車がかかってしまうのでこのへんにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。