読書感想ブログその8
今回の本はこれ。
プレイングマネジャー
「残業ゼロ」の仕事術
●はじめに
本書のもっとも伝えたいこと、それは
「属人化させない仕事の仕方」の徹底
「働き方改革の本質は生産性の向上」である。
そして現場メンバーの自発性を引き出すこと。
そのためにはプレイングマネジャーは「頑張らない」ことが大切である。
余計な「責任感」や「プライド」を肩から下ろし気持ちを楽にする。
そして素直にメンバーに助けを求め、メンバーを信じて仕事を任せることがプレイングマネジャーに求められるスキルである。
・「結果の質」より「関係の質」が大切
「結果の質」の改善から着手×
「関係の質」から着手するのが重要◎
→つまり対話。
関係の質→思考の質→行動の質→結果の質
といったグッドサイクルをまわすことを意識する
●第1章 「8割マネジメント」の働き方
lesson1 プレイングマネージャーの本職はマネジメント
プレイングマネジャーは
「マネジャーの仕事」8割:「プレイヤーの仕事」2割を意識する
・「頑張るマネージャー」がチームの士気を下げる
多くのマネージャーが「プレイヤーとしての仕事」に比重を置いてチームに足りない戦力を自ら補おう、という選択肢を思い浮かぶ
↓
なぜか、それは
「プレイヤーとしての仕事」の方が結果を出しやすいし、やる気も湧くから
lesson3 「15分単位」で時間感覚を磨く
「働き方」を記録するシンプルなルール
①時間は15分単位で考える
②業務とそれにかける時間(時間見積もり)をセットで考える
③残業を見込まず就業時間内で終わるようにスケジュールする
④各業務の優先順位を明確にする
lesson4 「働き方」を分析するシンプルな方法
・問題がありそうな「タスク」に注目
具体的には「すきま時間」の活用方法を極めること
「すきま時間」に難易度の高い仕事に少し手をつけておくのが正解
lesson5 「仕事を増やす」ために「仕事を減らす」
「仕事の無駄取り」に走ると「生産性」が悪化する?
持っている資源(ヒト、モノ、カネ、時間)を出来る限り「マネジャーとしての仕事」に投入する
↓
重要な仕事を「増やす」ために重要ではない仕事を「減らす」
●第2章「関係の質」が全て
lesson7 マネージャーが「一番大切」にすべきこと
Googleが発見した「生産性の高いチーム」の共通点とは?
仲が良くプライベートでも交流のあるグループ群と仕事上での最低限の関わりしかないグループ群とで生産性に違いがでるのかを検証。
正反対の特性を持つチームでもほとんど生産性に違いがない
生産性の高いチームに共通するパターンを見いだす事はできなかった
・「心理的安全性」が鍵を握る
「良いチーム」に共通している特徴とは
「チームメンバーが大体同じだけの発言量である」
「チームメンバーが人の気持ちへの感受性が高い」
「心理的安全性」が共有されたチームの生産性が高い
であるがこれは決して「仲が良い」と言うことではないというのが重要。
・プレイングマネージャーの落とし穴
「プレイヤーとしての仕事」に力を入れ出すとさらに状況は悪化
↓
「なぜ、自分がこんなに頑張らないといけないんだ…?」
↓
メンバーに対して「攻める」ような言葉が出てしまう
チームのために、といった自己犠牲は結果的に自分を苦しめる行為となるし、メンバーにも良い結果をもたらさない。
だからプレイングマネジャーはマネジャーとしての仕事を重視し、弱みをさらけ出して素直にメンバーを頼ることが必要。
目先の「目標達成」を多少犠牲にしてでも「心理的安全性」を優先すべき
lesson8 「メンバーより優秀」でなくていい
マネージャーの「思い込み」が災いを生む
会社はメンバーよりも優秀だから「高い給料」を払っているわけではない
あなたがチームの生産性を高めてくれることを期待して「高い給料」を払っている
↓
「自分の優秀さを証明する」ことよりも「心理的安全性を重視する」ことこそが求められている
・「弱み」こそがマネージャーの武器である
「仕事用の仮面」を被るのはやめたほうがいい
素直に自分の弱さを認め、できない部分は思いっきりメンバーを頼りきること。
lesson9 マネージャーに「答え」はわからない
なぜマネージャーは話しすぎるのか?
自分をコントロールする意識を持つ
→自分の考えと違っていてもメンバーの発言を尊重する
→自分の考えを伝えることに注視しない
マネージャーが相談された場合
↓
メンバーよりも先に「答え」が分かってしまう(経験豊富なため)
↓
結果ついつい答えを教えてしまう
↓
マネージャーの発言量が多くなってしまう
生産性の低いチームの会議の多くはマネージャーの独演会のようになっている
メンバーが自分で「答え」を見つけるのを待つことがマネージャーの鉄則
・「答え」を教えるのではなく「答え」を引き出す
まず黙って聞く
↓
答え(解決策)がわかってもすぐ口にせずグッとこらえる
※ティーチング→答えを「教える」
※コーチング→答えを「引き出す」
"手っ取り早い"のが効率的とは限らない
「無言の時間=無駄な時間」と判断する×
沈黙を埋めるような発言(ティーチング) ×
相手は頭の中で思考を巡らせているのでここでは「待つ」が正解
メンバーはマネージャーの5〜6分遅れで想像しているレベルのものを出してくる
この「5〜6分」を待てるかどうかがポイント
lesson10 「アドバイス」ではなく「フィードバック」に徹する
部下の問題行動には「フィードバック」で対応する
「放置すること」×
「客観的事実をフィードバックする」◎
「厳しく指導する」×
フィードバックとは・・・
もともと軍事用語。砲弾が目標地点からどれぐらいずれていたかを射手に伝えること
客観的な事実を伝えるだけでそこに主観的な判断が入っていないことが重要。
フィードバックには本人が自発的に行動を修正するのを促す力がある
・「直後に、フラットに」伝える
例:メンバーがタメ口で顧客と電話していた場合
→「もっと丁寧に電話したほうがいいよ」×(これはアドバイス)
→「友達と話してたの?」と尋ねるだけでオッケー(感じたことをそのまま伝える)
フィードバックするときは「直後に、軽く、フラットに」
・「待つ」のがマネージャーの仕事
客観的事実をフィードバックし、後は本人が自発的に問題に気づき、行動を修正するのをただ待つ。それがマネージャーの仕事。
・「褒める」よりも「事実」を伝える
ポジティブフィードバックは「褒める」ではない
※褒める→上から目線になりがち
「さっきのプレゼン、クライエントが身を乗り出して聞いていたね」
「さっきの一言、〇〇さんがメモしてくれていたね」
●第3章「働き方改革」のキックオフ
lesson13 「働き方改革」のエンジンを作る
・最初にグランドルールを決める
メンバーが楽しめなければ長続きしない
→景色の良い社会のミーティングスペース
→ BGMをかける
→アロマを用意してリラックス
→コーヒーやお菓子を用意してなど…
※何でもいいのでとにかく真面目になりすぎないように
lesson14 「付箋ワーク」で誰もが発言しやすい場を作る
「付箋ワーク」で全員が発言できる
「メンバーの発言量」を均等にするために最も効果的な方法
lesson15 チームの「もったいないところ」を共有する
マネージャーはディスカッションを牽引しようとするのではなく黙って観察に重点を置く
働き方改革などに積極的ではないメンバーの様子をそっと観察しておくことも大切
→メンバーが「言いたかったことを言えた時」
この瞬間を逃さないこと!
lesson16 「仕事の目的」を深掘りする
「働き方改革」の目的は「残業ゼロ」ではない
チームの生産性を上げ「ワーク」と「ライフ」を充実させることが「働き方改革」の目的であり、「残業削減」「残業ゼロ」はあくまで通過点
●第4章「働き方」を可視化する
lesson22 「スキルマップ」でチームを底上げする
「属人化」には微妙な心理が隠されている
自分の存在意義が脅かされると言う恐怖心を持っている
→「属人化」にはそんな微妙な心理が背景にある
属人化に固執しているメンバーを見つけた場合はなぜ人を頼らないのか、なぜみんなと仕事を共有しようとしないのかを探ってみることも必要。
●第5章チームの「生産性」を高める
lesson28 「整理整頓」から着手するのがベスト
「整理整頓」を日常業務にする
例:終業30分前のうち15分を「掃除タイム」残りの15分で残務処理をし定時退社
・lesson37 「ミニドミノ人事」でメンバーを育てる
「背伸び」することで人は成長する
誰かが休業したり、休暇を取るときは、実は人材育成のチャンス
・マネージャーが率先して長期休暇を取る
人を任せきることが人を育てる最善の方法→「自分が休むこと」がとても大切
lesson38 上層部を「味方」につける
過去と現在の「差」を可視化する
実際には着実に成長しているのに、ずっと同じ状況に留まっているような錯覚を覚えてしまう
過去と現在を目で見て比較できるものを用意するとメンバーは自分たちが生み出してきた変化を実感することができる
●第6章「働き方」を劇的に変える
lesson40 組織を動かして「業務負担」を軽減する
「組織力学」を使いこなす
客観的データを示すことが不可欠
自分たちが大変じゃなく他の部署も大変なんだ、と言う客観性を持つことで味方を増やす
以上です。
現在僕は役職には就いていませんが、デイサービスの管理者(運営上資格が必要なため従事することになっています)という立ち場で仕事をさせてもらっています。
いままでのようにプレイヤーとしての動きばかりを続けた結果、自分自身は疲弊し、動いてくれないメンバーを責めるような気持ちになることが度々ありました。
本書は僕がやってしまっていた失敗の数々を見事に書いています。
また著者の小室さんはマネジャーの仕事はセンスではなくスキルであると断言しています。
要するに「自分にはマネジャーの仕事は向いていない…やっぱり現場でリハビリや介護をしているほうが自分には合ってるんだ」という認識は誤解である、というふうにも解釈できます。
マネジャーの仕事は正直シンドイです(まぁ初めてやることなので当然ですが)。
ですがこの本は、マネジャーとしてのスキルは日々コツコツと意識して磨くことでいつかできるようになるんだと思わせてくれました。
僕のようなマネジャー業務初心者にはピッタリの本だと思います。