感染リスクについて考える③
突然ですが皆さん、ラジオは聴きますか?
私は移動中や家事のすき間時間などによくラジオを聴くことが多いです。
そのなかでも『荻上チキ・session-22』というのをよく聴いています。
荻上チキ・Session|TBSラジオFM90.5+AM954~何かが始まる音がする~
そのラジオのなかで感染症が専門で神戸大学病院感染症内科・教授の岩田健太郎さんをゲストに呼んで『新型コロナウィルス感染対策と最新研究』というテーマについて話していました。
1時間ほどの内容でしたが、そこから私たちの仕事にも繋がる部分だけを要約して紹介したいなと思います。
※去年4月頃の内容のため、情報が最新でない部分があります
ホームページ内にはその内容の音声アーカイブ&文字起こしもあるので、興味がある方はそちらもご参照ください。
8:18~三密(密閉、密集、密接)について
専門家会議で発している「三密を避けるように」というメッセージは、逆に「三つ揃わなければ問題ないでしょ?」という意味にすり替えられてしまう可能性がある。
しかしこれはすでに起こった過去の事例の追随でしかない。
今やるべきことはこれから予見すべき未来に対してどのような対策をとるか。
そしてもっとも大切なことは『感染経路』であり、今やるべきことは『人と人との距離を離すこと』。
全国すべてで同じ対策をとるわけではないが、感染者数の多い地域(大阪)では『全ての人がもう感染者である』という認識に切り替える(パラダイムシフト)必要がある。
23:26~マスクで感染は防止できるのか?
(Q&A)
マスクによる感染予防効果は非常に限定的、もしくは無いに等しいというのが世界中の専門家の見解で一致している。
ではなぜみんながマスクをつけているのか?
最近のCDC(アメリカ疾病管理予防センター)やWHO(世界保健機関)の考え方が少し変わりつつあり「今はもうみんなが感染している」という認識で動いているため、
「自分が他者に感染させないようにしよう」という状態になっている(まだ仮説であり科学的エビデンスはない)。
マスクよりももっと大切な予防方法こそが『人との距離(ステイホーム)』である。
マスクによる予防は『距離をとる』という代替方法にはならない。
28:45~咳エチケット
マスクをつけていることで咳エチケットが疎かになるケースもみられるが?
マスクをすることで咳などのしぶきを抑えるという科学的データがあるのは『不織布(医療用)マスク』。
したがって布(ガーゼ)マスクを使用しているときは咳エチケットは欠かさず行う。
30:15~レジなどでみかける透明のビニールや透明なアクリル板などによる予防効果は?
非常に面白く良いアイデア。
これらは飛沫を予防するのに十分効果がある。
※いまでは当たり前の光景になりましたね
37:25~アルコール以外での消毒方法はあるのか?
次亜塩素酸は効果的。
物を拭くことにも活用できるし、手指消毒に使用することも可能。
ただし両者の濃度には若干違いがある。
手指消毒に使用するものは薄めなければ手荒れを引き起こす原因となる。
※ラジオでは説明していませんでしたが、ここで話しているのは『次亜塩素酸ナトリウム(一般的なハイターなど)』のこと。
手指消毒に使用できると言っているのは『次亜塩素酸水』のことを指します。
名前は似ていますが、成分は異なるものなので、十分調べた上で実行する必要があります。
以下、次亜塩素酸水に関する各情報です。
①次亜塩素酸水・電解酸性水とは
↓
次亜塩素酸水(じあえんそさんすい)・電解酸性水とは|備える.jp
②次亜塩素酸水による手指消毒の有効性
↓
※過去に貼り付けたリンクが現在は使われていませんでした…
また石鹸と水で洗い流すことも有効。
台所洗剤による消毒
↓
※これまた過去に貼り付けたリンクが期限切れになっていました…
物を拭く点では熱湯も効果的。
もしいよいよ商品が手に入らないという事態になったら『手』を基準に考えていく。
物の消毒が十分にできないとしても、手をしっかり洗うという方法をとれば効果は期待できる。
53:18~新型コロナウィルスはいつ収束するのか?
昔から『安心安全』という言葉があるがこれは良くないと思っている。
外国語で『安全』という言葉はあるが、『安心』という言葉はない。
『安心』とは根拠のない気分の良さのことをいうので危うい。
根拠に基づかないが「安心感を与えてほしい」というものは良くない。
むしろ不安になるべき根拠があるなら、ちゃんと不安になるべき。
それを踏まえたうえでコロナは、日本国内で第一波があと数か月で収まることはあったとしても、世界的にはそう簡単に収束しないだろう。
もちろんワクチンが開発されたとか、効果的な医薬品ができた、となれば話はまた変わってくる。
以上です。
一般向けのラジオですが、内容によっては私たち専門職と呼ばれている人間にも知識を補完できる部分があると感じました。
現状を『コロナが収束するまでの取り組み』と捉えるのではなく、『Withコロナ=コロナと共に生きる』ために今まさにパラダイムシフトしていく岐路に立たされているのかもしれないなと感じました。
出演者の荻上チキさん(左)と南部広美さん(右)
駄文、長文にも関わらず最後まで読んでいただき、ありがとうございました。